◎ 労働組合は、働く人どうしの助け合いの組織です。

 

雇う人と雇われる人では、どうしても雇う人（企業・会社・事業主・雇用主）のほうが力が強くなりがちです。そこで、憲法や労働組合法では、労働組合を作る権利、団体交渉をする権利、争議をする権利などが法律として認められています。賃金・労働条件・職場環境をもっと良くしたり、働き続け安心して生活できる社会をつくるためにも労働組合の存在意義は大きくなっています。

ひとりでは弱い労働者も、仲間が集まり団結することにより経営者と対等に話し合う事ができ、職場での問題や働く上での安全が守られ健康で働き続けられる職場になります。

また、労働組合は「解雇された」「給料が払われない」「仕事でケガをしたのに労災の適用にならない」「職場でいじめられる」「セクハラ・パワハラされている」など働く上でのトラブルや権利侵害を解決するために力を発揮することができます。

 

 

◎ 憲法28条『勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。』

 

労働者が2人いれば職場に労働組合を作ることができます。会社は組合を結成したことや組合に加入したことで労働者に不利益をあたえたり、組合を潰そうとしたりは法律で規制されているためできません（不当労働行為）。また、どんな仕事・職場で働いていても、私たちのような合同労組（ユニオン）に１人でも加入することができます。もしあなたが労働組合に加入せずに１人で、会社に問題解決のための話し合いを求めても、会社側は、応じる義務まではありません。しかし、労働組合に加入し、労働組合が正式に団体交渉という協議を申し入れたら、会社は拒否することができません。

 

 

◎ 労働組合は、話し合いで問題を解決し、利害を調整することを目指しています。

 

団体交渉でも調整がつかず、いざということきには争議権を行使し、直接行動を行います。「ストライキ」権の行使、それ以外にも、会社の前でチラシまきをしたり、アピール宣伝をしたりしながら、問題を社会的に訴え会社に改善を求めます。

これを個人でやってしまうと、営業妨害などとして、損害賠償を請求されたり、刑事罰を化せられたりします。しかし、労働組合として争議権の行使として行う場合は、刑事上も民事上も免責されるという特徴があります。

 

 

◎ 企業・会社の発展には労働組合の存在が不可欠

 

企業・会社の健全な発展のためには、安全に対するチェック機能や経営に対する提言を労働組合が果たさなければならないとも考えています。経営者的な目線では、企業の発展のためには、どうしても『利潤追求・営利第一』となりがちです。利益を追求するあまりに安全対策への補てんや利用者へのサービス向上のための資金運用などがおろそかになる事があります。その犠牲は利用者の安全や健康が損なわれ、事故やケガなど大きな重大事故や事件にもなりうることがあります。

また、福祉社会の構築や平和な社会を後世に残していくためにも労働組合が 果たすべき社会的責任と役割は重いと思います。

 

 

◎ 労働組合が果たすべき社会的役割

 

①平和と民主主義を守る
平和と民主主義は、生命・健康・雇用・労働などの基盤です。日本国憲法第９条を守り、戦争に反対し、平和を求める勢力を大きくしていかなければなりません。労働組合が、どんなに雇用を守り労働条件を改善しても、戦争が起きてしまえば全ての労働者は戦地へと向かわなくてはならないのです。『戦争のない、核兵器のない』平和な世界を求めています。
 

②すべての労働者の生命と健康を守る
働く者が身体的にも精神的にも健全で健康で働き生活できる社会を築きあげなければなりません。

③すべての労働者の安定した雇用を実現
雇用は、労働者にとって最低限の生活の基本であり基盤です。すべての国民の人生と生活の設計をたてられる安定した雇用を求めとともに、『働くことを軸とした安心社会』の実現に努めます。

④すべての労働者の人間らしい生活と労働を実現する
規制緩和と市場原理主義、新自由主義の経済政策は『弱者切捨て』につながっています。非正規雇用と格差・貧困は拡大し続けて今の社会を不安定にしています。私たちは『仕事と生活の共存（ワークライフバランス）』『男女共同の生活と労働』『適正な労働条件と適正な労働環境』『セクハラ』『人権侵害』と向き合い闘い続けます。

⑤労働条件の向上をはかり社会的に広める
労働組合が勝ち取った権利や労働条件、処遇の改善は、自らの企業内や産別内だけではなく、社会的に広め共有し、すべての労働者、働く仲間がより良い職場環境・労働環境の中で働けるように連帯し共に運動と活動しなければならないと考えています。勝ち取った労働条件・権利が、全国すべての労働者に適用されるよう活動するのが労働組合の使命です。